iスキャミルは実用的なのか?の比較レビュー


またキングジムがやってくれました(ケータイWatch記事)。
iPad専用スキャナー「iスキャミル(iScamil)」、iPadを刺すだけで手軽にスキャンできるそのコンセプトは魅力的ですが、あえてたくさんあるシートフィーダタイプのスキャナーからこれを選ぶ理由があるのでしょうか?
2月17日の発売を前に、今ある情報から検証してみました。

シートフィーダ・コンパクトスキャナの現状

iスキャミルの性能をはかる前に、今市場にあるフラットベッド以外のスキャナーについて代表的な機種を取り上げながら再確認してみましょう。




FUJITSU ScanSnap S1500

  • サイズは大きいが高速、大容量
  • 最大50枚収納
  • A4カラー(300dpi)を3秒で読取
  • 両面スキャン対応
  • 価格:40,000円程度



FUJITSU ScanSnap S1300

  • そこそこコンパクトでバスパワー対応
  • 最大10枚収納
  • A4カラー(300dpi)を15秒で読取(ACアダプタ接続時)
  • 両面スキャン対応
  • 価格:20,000円程度



FUJITSU ScanSnap S1100

  • 世界最小クラスのサイズでバスパワー対応
  • 1枚ずつ手差し挿入
  • A4カラー(300dpi)を7.5秒で読取
  • 片面スキャンのみ
  • 価格:13,000円程度



EXEMODE ScanBit S-45<35272>

  • ACアダプタ給電でSD保存
  • 1枚ずつ手差し挿入
  • A4カラー(300dpi)を20秒で読取
  • (おそらく)片面スキャンのみ
  • 価格:4,000円程度



テック hidescan3

  • 単三電池2本駆動microSD保存
  • 原稿の上をスライドさせる方式
  • A4カラー(300dpi)を6秒で読取
  • スキャン時のスライドに若干コツが必要
  • 価格:6,500円程度



まず、大きく分けて「連続スキャン」か「1枚ずつスキャン」かがあります。
本を裁断して自炊したい、複数枚の書類読取が頻繁にあるなら間違いなくScanSnap S1500などの連続スキャン対応機種でしょう。
自分も自炊用にCanon DRC-2510Cを利用していますが、非常に快適です。
さて1枚ずつスキャンするものにも「手差し」か「ハンディスキャン(原稿の上をスライド))」の二種類があります。
ハンディスキャンの場合雑誌や新聞を手軽にスキャンできるというメリットはありますが、iPhoneに800万画素のデジカメがついているのにあえてスキャナーをメモに使うかどうかは微妙なところかもしれません。
最後に「PC接続」か「SDカード保存」か。
モバイルするならSDカード保存がベストですが、結局PCで見るという人は転送という無駄な手順ばないPC接続が無難。
一方SDカードならカメラコネクションキットを介してiPadで開けるので、iPad中心で生活したい人なら選択肢となります。

iスキャミルのそこそこな性能

さて、ようやく本題。
iスキャミルのスペックを確認してみましょう。




キングジム iスキャミル

  • iPad付属電源で動作
  • iPad内カメラロールに保存
  • 1枚ずつ手差し挿入
  • A4カラー(300dpi)を25秒で読取
  • (おそらく)片面読み込みのみ
  • iPadをのっけたまま充電も可能
  • 価格:15,000円程度

※ソースはケータイWatch



まずスキャン速度1枚25秒というのはかなり遅いです。
ただ、下の動画ではスキャン自体は10秒弱で終わっています。

こちらは低解像度モードか何かでしょうか?あるいは画像の圧縮を含めると25秒ということでしょうか。
300dpiの読取時間25秒ということであれば前項でご紹介した4,000円のScanBit S-45でも20秒ですので最遅クラスと言っていいでしょう。
またiPad付属アダプタとはいえ電源が必要なのもマイナスポイント。
外出先でスマートにiPadですまそうとしてもこれではしまりません。
それに対しお値段は結構お高め。価格破壊が進んでいるハンディスキャナと比べるとあまりお得感がありません。
と、ここまではスペック的なネガティブ面のお話でしたが、やはりこれらを差し引いてもiPadにダイレクトに画像が入る」というのが大きいでしょう。
読取速度面での弱点を加味しても普段iPadをメインで利用しているので書類のスキャンにPCを経由したくない、という方ならSDカード経由よりもカンタンなので非常に魅力的な商品ではないでしょうか。

(余談)Eye-FiとSD対応スキャナでクラウドスキャン

先日ScanSnapEvernoteに対応したことを発表しましたが、実はスキャナ単体でガンガンEvernoteに転送する方法があります。
SD対応スキャナに無線LAN対応SDメモリ「Eye-Fi」を差し込み、スキャンしたJPEG無線LAN経由でEvernoteに転送する、というやり方です(こちらに参考記事)。
スキャナ側がデジカメ画像のDCF規格に対応して画像を吐き出す必要がありますが、実はスマートフォンでスキャン画像を扱う最もスマートなやり方かもしれません。