4K2K&裸眼3D REGZA 55X3 レビュー【CEATEC2011】
幕張メッセで行われたCEATEC2011へ行って来ました。
今回最も印象的だったのは世界初の民生向け4K2K液晶テレビ「REGZA 55X3」です。
(参考ニュース:東芝、4K2K/裸眼3D対応の55V型“REGZA”「55X3」を国内発売 − 価格は約90万円 - Phile web)
刺激的なハイデフの裸眼3D
15分待ちの行列が終わると、カーテンをくぐり薄暗い部屋の中で55X3を視聴できました。
まずは売りの一つである裸眼3D。
東芝dynabookに既に実装されている「フェイストラッキング」(公式解説ページ)を利用しているため、顔の位置にあわせてしっかり3Dを見せてくれます。
映像ソースは花、トランスフォーマーザリベンジなど。
以下、所感です。
- 人生初のハイデフ裸眼3Dは衝撃的。眼鏡越しでないことが臨場感をアップさせている。
- 彩度はそこそこ。フレームシーケンシャル方式の液晶に比べれば明るさがあるので大分良い。
- 2D時と比べて黒浮きがかなり出ている。
- 720p表示だが輪郭部分に結構ジャギーが見える。
- クロストークはわからなかった。視差が少ない映像ソースであったせいもあるかもしれないが、比較的少ないと思われる。
- レンチキュラー特有の「ブレ」のようなものを感じるが、そこまで目は疲れなかった。
レンチキュラーの影響か若干コントラスト感が欠けている絵作りでしたが、裸眼でハイデフ3Dというだけでもかなり衝撃的な体験となりました。
つい2,3年前まで「ハイデフ裸眼3Dが実用化されるのは10年先」と言われていましたが、このタイミングで市場投入を実現した東芝の技術力恐るべしです。
4K2K表示は高い完成度、解像感だけでなくコントラストも素晴らしい
次は2Dの4K2K表示。
映像ソースは静止画、バラエティグルメ番組、風景、人物デモ映像など。
- 4K2Kの解像感は圧倒的。全てがキリッとシャープに見える。
- 直下型LEDの部分駆動により、CELL REGZAなどと同等の黒色の沈みを実現している。
- 彩度も現行機と大きく変わらず不満はなし。
- 超解像はフルHDをかなりシャープめに補正するため好みが分かれそう。
以下はデモ映像のシダ植物部分を拡大したもの。
こういう映像ソースは本当に向いています。
一方バラエティ番組ではちょっとピントを外している部分がしっかりわかってしまうなど、映像作りの難しさがはっきりとわかりました。
映像ソースが無いので写真かPCでニヤニヤ?
さて、以上のように非常に魅力的な商品ですが、当然「映像ソースがない」のが4K2Kの最大の問題です。
幸い本体のSDスロットで写真を開くことができるので、800万画素オーバーのデジカメで撮った写真なら4K2K解像度をいかすことができます。
一方HDMI1.4の制限上4K2Kだと30pまでしか規格上対応していないので、PCをつなげるには別途「THD-MBA1」(2012年3月発売予定)というコンバーターを利用し、HDMI4本入力という力技を使わなければいけません。
しかしまあ、4画面出力に対応したビデオカードとハイエンドCPUがあればFPSやフライトシミュレーター、あるいはYouTubeの4K映像を4K2K解像度で楽しめるはず。
テレビの値段が値段なので、ケチらず色々試すのが吉でしょう。
↓ATIの多画面技術Eyefinityに対応したビデオカード。昔はワークステーション向けだった4画面ビデオカードも安くなったものです。