「けいおん!!」の「GO! GO! MANIAC」売上は10年前なら5位?
Yahooやめざましテレビでオリコン1,2位をアニメキャラが占めたことを今更ながらに報じていますが、それに対してのネット上のユーザーの反応は様々です。
・J-POPがダメになっただけ
・普通着うたでしょ。今時CDなんてオタクしか買わない
・けいおんなら当然の結果(キリッ
・唯にゃんさいこぉぉぉ
などなど・・・。
とにかくよく言われるのが「J-POPが売れなくなったから」「CDが売れなくなったから」という意見です。
これは本当に正しいのでしょうか?
では、実際数値でどれだけ音楽市場が縮小したか、10年前ならどうなっていたかを考察してみます。
まずCD市場規模の縮小から。
<CDシングル生産金額>
2000年 823億9300万円
2009年 339億9900万円
http://www.riaj.or.jp/data/money/index.html
なんとピークの2000年と比較して6割近い減少。
たった10年でここまで変化してしまったのは驚愕に値します。
では「着うたフル」に移行したのでは?という推測です。
以下URLはPDFなので注意。
http://www.mcf.to/press/images/MobileContent_market_scale2008.pdf
2008年のデータですが着うたフルの市場規模は707億円。
成長は鈍化していますが2009年も800〜900億の市場規模と思われます。
着うたの場合シングルとアルバムという区分けが無いので推測が難しいのですが、仮に2009年の市場規模を850億とし、売上の規模をCDとあわせてシングル1:アルバム6とするとシングルCDの市場規模は約121億となります。
1曲300円とした場合、DL数は4000万DL。
さらに後付けになりますがPC向け(iTunesStoreなど)音楽配信について。
http://www.seedplanning.co.jp/press/2009/2009061601.html
上記資料をもとにし、モバイル88:PC12とすると545万曲となります。
シングルCDを1000円1曲(カップリングは無視)とし比較すると以下のようになります。
<CDシングルの購入曲数>
2000年 8239万(CD:8239万)
2009年 7944万(CD:3399万 着うたフル:4000万 PC:545万)
以上すごくざっくりな数字ですが、曲数そのものは若干減少しているものの意外と変化がないようです。
もっともCDより圧倒的に安く買える着うたにユーザーが移行しても曲数が増えていない、というのはやはり市場の衰退と考えて構わないと思います。
さて、では「GO! GO! MANIAC」が10年前ならどれくらい売れていたか、ですが。
ここは面倒なのでCD市場規模の縮小分を上乗せする形でランキングにぶちこみましょう。
「GO! GO! MANIAC」ウィークリー売上はまだ出ていない5/4分を前日までの推移から4000枚と推測すると約85000枚となります。
これを「85000÷3399万(2009年売上)×8239万(2000年売上)」とすると
206035枚となります。
さて、これを2000年オリコン5月2週目のランキングに入れると・・・
曲名 | アーティスト名 | 発売日 | 枚数 |
---|---|---|---|
桜坂 | 福山雅治 | 2000/04/26 | 751620 |
Secret of my heart | 倉木麻衣 | 2000/04/26 | 410550 |
vogue | 浜崎あゆみ | 2000/04/26 | 351740 |
Wait&See〜リスク〜 | 宇多田ヒカル | 2000/04/19 | 312250 |
GO! GO! MANIAC | 放課後ティータイム | 2010/04/28 | 206035 |
愛情 | 小柳ゆき | 2000/04/12 | 126220 |
ホタル | スピッツ | 2000/04/26 | 106720 |
果てのない道 | 19 | 2000/04/21 | 78480 |
Stay by my side | 倉木麻衣 | 2000/03/15 | 55690 |
楽園 | 平井堅 | 2000/01/19 | 50590 |
水鏡 | Cocco | 2000/04/26 | 48120 |
残念!5位に終わりました。
タイミングが悪かったかなーと思い前後の週も検索したのですが宇多田ヒカルやモーニング娘。が80万とか40万とかバケモノじみた数字を出していたので無理でした。
4月第4週まで遡れば鈴木あみが145560枚でトップなんで1位をとることができます。
要はその週次第ってことです。
さて、長々と書いてきましたがまとめると
・10年前と比較しCD市場は6割減だが音楽市場全体を曲数ベースで見るとわずかな減少。
・GO! GO! MANIACのCD売上は10年前の同タイミングなら5位。ただしタイミングをあわせれば1位も取れる!
・GO! GO! MANIAC1位は発売タイミングを入念にあわせた結果!J-POPの衰退とは関係が無い。
という結論になります。
そもそも今年3/29付けのオリコンウィークリーでは「アッカンベー橋」が27000枚で首位取ってますからウィークリーのランキングに波があることは明らかなんですけどね。
結局「けいおん!!」1位2位独占は発売日を入念にあわせてきたレコード会社の勝利といえるでしょう。
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